患者さんとそのご家族へ

病気の話

NICU(新生児集中治療室)

①低出生体重児/早産児

 

生まれたときの体重が2500g未満の赤ちゃんを低出生体重児、在胎37週未満で生まれた赤ちゃんを早産児と呼びます。
体重が少ないこと、早産であること自体は病気ではありませんが、低出生体重児、早産児であるために色々な病気が起こる危険性があり特別な医療が必要になります。
低出生体重児のなかでも特に体重が1000g未満で重症例が多い超低出生体重児を、近畿大学附属病院NICUではこれまでに150人以上診療してきています。

②未熟児網膜症

 

低出生体重児に起こりやすい眼の病気が未熟児網膜症です。
進行すると網膜剥離を起こして失明する危険性があります。
網膜剥離を防ぐ手術や薬剤投与は限られた施設でしか行われていませんが、近畿大学附属病院NICUでは眼科医によりこれらの治療が行われており、近畿はもとより、北陸や中四国地方からもたくさんの赤ちゃんが治療のために転院して来ます。

③新生児仮死

 

生まれるときに生命の最大の危機にさらされるのがヒトの宿命と言われます。
胎児から新生児へカラダをうまく適応させられかったときに起こる疾患が新生児仮死です。
仮に死すとは恐ろしい病名ですが、新生児仮死と診断されてもすぐに回復すれば問題はありません。
しかし、脳への血液、酸素の供給が長時間途絶え、低酸素性虚血性脳症の状態になると将来の運動発達に問題が起こる危険性があります。

 

近畿大学附属病院NICUには新生児をみるためだけに小児科医が24時間勤務しているので、予想外の新生児仮死にも迅速に対応できます。
また、低酸素性虚血性脳症に進展する危険性がある場合には、低体温療法という低酸素性虚血性脳症を防ぐ治療を行うことができます。
この治療も限られた施設でしか行えないため、他のNICUから転院して来る赤ちゃんもいます。


近畿大学医学部 小児科学教室

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