研究室の紹介

各診療部門の案内

新生児部門

Division of Neonatal

資料

「人工知能を用いた新生児の人工呼吸器管理プログラムの作成」に関する情報開示(PDF)

未熟児網膜症治療時に早産児が受ける全身への影響についての研究に関する情報公開(PDF)

2015年出生児を対象としたハイリスク新生児医療全国調査に関する情報公開(PDF)

 

近畿大学病院周産期母子医療センターNICUには様々な疾患を持った患者さんが入院します。
新生児研究グループでは日々の診療の中で浮かんだ疑問を解決できるように、また、希少な症例の紹介を受ける者の義務として、積極的に臨床研究を行い学会発表や論文報告につなげています。

 

2020年にNICUで診療した主な疾患を表1に示します。

表1.2020年に診療した主な疾患(重複なし)
総入院数 203
超低出生体重児(出生体重<1000g) 20
極低出生体重児(出生体重1000-1499g) 8
低出生体重児(出生体重1500-2499g) 50
新生児仮死 10
呼吸障害(一過性多呼吸、胎便吸引症候群、気胸、肺出血) 23
母体疾患の影響を受けた児 11
染色体異常症 4
先天性代謝異常症 1
先天性心疾患 8
小児外科疾患 1
眼科疾患 6

これらの疾患に対して行った治療を表2に示します。

表2. 2020年に行った主な治療
治療 患者数(複数回も1とカウント)
心臓外科手術 7
小児外科手術 3
眼科手術 6
低体温療法 6
人工換気(気管内挿管) 39
NO吸入療法 1
Nasal High Flow Canulae(のみ) 11
持続血液濾過+血漿交換 1

持続血液濾過+血漿交換の様子

これらの診療を経験して得られた知見は積極的に報告を行っています。一部を紹介します。

  1. Norihisa Wada, et al. Renal impairment associated with oligonephronia in a patient with Down syndrome. Pediatrics International. Volume 62, issue 5, 640-641,2020
  2. 田中藍、他. 皮下型乳児血管腫が疑われた病変に対してプロプラノロールが有効であった新生児慢性肺疾患児の1例. 日本新生児成育医学会雑誌32巻2号:100-103, 2020
  3. 小谷有紀、他. 反復する炎症反応のために日齢49に根治術を施行した先天性胆道拡張症の1例. 第64 回日本新生児成育医学会学術集会.鹿児島.令和元年11月
  4. 小西悠平、他.カフェインの副作用による横紋筋融解症が疑われた超低出生体重児の1症例. 第64 回日本新生児成育医学会学術集会.鹿児島.令和元年11月
  5. 龍神雅子、他.当院における2種類の新生児用ハイフローネーザルカニューラの有用性について. 第220回大阪小児科学会学術集会. 大阪. 平成30年12月
  6. 和田紀久、日下俊次:Ⅲ.新生児編16.未熟児網膜症. 日本周産期•新生児医学会 教育•研修委員会編集、改訂第2版 症例から学ぶ周産期診療ワークブック. メジカルビュー社(東京)、471-475、2016年
  7. 和田紀久:新生児慢性肺疾患. 周産期医学必修知識第8版. 東京医学社(東京)、594-596、2016年

また、疾病治療のみならず長期予後の改善に繋がるデベロップメンタルケアや痛みの軽減、ファミリーケアにも力を入れており、発表論文が学会賞を授けられるなど高い評価を受けています。一部を紹介します。

  1. 有馬智之、他.知的障害者家庭に出生した児の退院先選定過程において行政との調整が困難であった1例. 第331回NMCS例会.大阪. 2020年1月
  2. 和田紀久. 家族の心理的サポートQ&A. 3.治療方針が医療者と家族で食い違う場合の家族のギモン.with NEO 第32 巻6号:874-880, 2019
  3. Noritsugu Honda, et al. Effect of therapeutic touch on brain activation of preterm infants in response to sensory punctate stimulus: a near-infrared spectroscopy-based study. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed doi:10.1136/archdischild-2011-301469 Archives of Disease in Childhood - Fetal and Neonatal Edition 2013; 98: F244-F248
  4. 本田憲胤、他. 早産児の踵痛み刺激に対するホールデイングの効果 —近赤外分光法による脳血流の変化から—. 日本未熟児新生児学会雑誌第23巻第1号89-94、2011

その他、新たな治療方法確立のために未熟児網膜症、低酸素脳症の治療薬剤の治験に参加しています。
これまで2名が新生児学の臨床研究で医学博士の学位を取得しました。
2024年に堺市へ移転する新病院のNICUはプライバシーを重視した半個室となり、多くの症例を集め臨床研究のさらなる充実が期待されています。

新生児研究グループ

和田紀久(1988年愛知医大卒) 臨床教授 周産期母子医療センター長
小西悠平(2006年近畿大卒)  医学部講師
小谷有紀(2013年和歌山医大卒)助教
荻野加菜(2015年近畿大卒)  助教


近畿大学医学部 小児科学教室

〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2

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内線 3535